No.34 ミニ輪ゴム・エンジン 2005.6.18.掲載

 おもしろ実験メニュ  前の実験  次の実験

分類順メニュへもどる

カードリングと輪ゴムで作る熱機関

ゴムの温度を上げると縮みます。冷めると伸びて元にもどります。これを「ガフ・ジュール効果Gough-Joule effect」と呼ぶのだそうです。そのことを利用した、外燃機関です。右か左、一方を熱すると回り出します。

むかし、物理学者ファイマン(R. P. Feynman ) の本に出ていたと思います。特にオリジナルな新しい実験ではありません。お店の文具コーナーで大きなカード用リングが目に止まり、重さも十分だし、これは簡単に作れるな、と思いついただけです。

リング

直径8cmのカード用リングです。

重さのバランスを取るため、ヒンジ部分と反対の位置に針金を少々巻きます。

棒の上にリングを置いてみるなどして、リングの中心と重心が一致するように針金を増減します。

軸の棒には太さ2mmステンレス棒を使いました。ストッパーとして、ブッシュを3つはめて、ゴムを掛けやすくしました。

 

輪ゴム

輪ゴムはNo.18というサイズのもの。全部で4本かけます。なるべく、対称に、均等な間隔でかけましょう。

スタンド

軸が水平にかけられるスタンドを用意します。ページのトップの写真のスタンドは木材で組み立てたもの。軸受けとしてミニ四駆用のボールベアリングを入れてみました。

出来上がった輪っかをスタンドにのせて、バランスを見ます。輪ゴムの掛ける位置をわずかにずらして微調整します。

加熱のしかた

トーチバーナー、またはターボ・ライターなどを弱い火(炎3〜5cmくらい)にして、リングから10cmくらい離して、半円部分だけを温めます。

加熱し過ぎないため、右図のように炎の方向をグルグル移動させながら、加熱します。バーナーを一秒でひと回りくらいの速さで動かします。

バーナーの一回りか二回りでリングは回り始めました。ファイマン・エンジンの完成です。

長い時間熱し続けると鉄のリングがしだいに高温になるので、注意しましょう。

なぜ回る?

少し伸ばしたゴムは温められると、わずかに縮みます。

右図で少々オーバーに表現してあります。

図の左側のゴムは縮み、右側は伸びます。そのことで、リングの中心(リングの重心)は軸より右に移動するので、回転するわけです。

ゴムの性質

伸ばしたゴムを熱すると縮み、冷やすと伸びる。ゴムはそういう性質を持っています。金属など普通の固体の熱膨張とは逆ですね。

これはゴムが原子をたくさんつなげた構造であり、ピンと伸ばされた状態よりゆるんだ状態の方が原子の並びが自由で乱雑になる(エントロピー増大)ということが理由となっています。

逆に、ゴムを引き伸ばすとゴムの温度は上がり、ゆるめるとゴムの温度は下がります。この性質を利用すれば熱をくみ上げるヒートポンプが可能です。

輪ゴムでヒートポンプ実験

これは1℃か2℃のわずかな温度変化ですが、温度変化に敏感な自分のくちびるを使って調べることが出来ます。
@ 輪ゴム1本を両手の人差し指の間にかけます。
A 思い切りギューと伸ばします。この時輪ゴムはわずかに熱くなります。くちびるを触れるとそれが感じられます。
Bつぎに、伸ばしたまま上下にゆさぶって空気に10秒くらい放熱させてから、輪ゴムをもとの長さに戻します。このとき輪ゴムは冷たくなります。くちびるを触れると冷たいのが感じられます。

 

 おもしろ実験メニュ  前の実験  次の実験

分類順メニュへもどる