No.61

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ちょこっと VB
 
ケプラー第3法則


2016.6.11.掲載

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自作感のあるエクセル活用
   物理シミュレーションソフトは色々あるようですが、汎用性が高いものはマニュアルを覚えるのが大変です。逆に操作が簡単なソフトは自分なりにアレンジできない。どっちにしても、自作感がないですね。

ちょこっとVB
 実は、誰でも使っているエクセルの基本機能で、高校物理範囲のシミュレーションなど十分に可能です。見せるためにはエクセルのグラフ機能があります。しかし、ア二メーションのように動かしたり、効果的にするには少し工夫が必要です。
 エクセルに組み込まれている「マクロ」の機能、つまりVBVisual Basic というプログラミング言語)を、ほんの少しプラスすると、シミュレーションらしくなり、自作ソフト感が出ます。
 「マクロなど使ったことがない」という人でも、授業に使える、オリジナル風ソフトができる。そういう方法を紹介して行きます。

例えば、たった一行のプログラム
 
今回、使うVBは次の3行です。1行目はプログラムの名前の宣言、3行目は終了の宣言なので、プログラム本体はたった一行です。

    Sub 増やす()
     Range("E4") = Range("E4") + 0.1
     End Sub

エクセルのE4セルの値を0.1増加させるプログラムです。このような短い文をエクセル内に作り、それを動かすボタンをエクセルのシートに置くと、ボタンを使ってグラフの表示を動かすことができます。

今回は ケプラー第3法則
   
  惑星の太陽からの距離(楕円軌道の長半径a)と公転周期(T)との関係は

  Tの2乗がaの3乗に比例、つまり  Tはaの1.5乗に比例している。

 これをワークシート上で発見しましょう。

 kep11

今回のワークシートの使い方

グラフの形を見ながら、 a^x の指数部分x、E4セルの値を増減します。

1乗ではグラフが上に曲がる。2乗以上では逆に下に曲がる。グラフは直線になるのは、途中のどこかだ。

ボタンの連打で 0.1ずつ変えて行くと‥。1.5乗のとき、グラフがピシッと直線になります。

 

ワークシートの作成
 
@図のようにデータを置きます。

A D6セルは  =C6^$E$4  とします。それを、D7からD11まで関数コピーします。

Bグラフ挿入で散布図を選びます。

Cデータの選択系列の編集を選び、系列XにD6〜D11、系列YにはB6〜B11を範囲指定します。

Dグラフエリアの書式設定でXYの目盛りをどちらも最小値0、最大値30に固定します。

VBの作り方

  もし、お使いのエクセルで[開発]タブが見えない場合は,次のようにして表示させる設定にして置きます。
     1 [ファイル] タブをクリックします。   2 [Options] をクリックします。 
     3  [リボンのユーザー設定] をクリックします。
     4 [リボンのユーザー設定] および [メイン タブ] の下の [開発] チェック ボックスをオンにします。
 
@ alt+F11 または開発タブからコードの表示で VBエディターを開きます。

A This worksheet のオブジェクトをダブルクリックして、右側の窓に例の3行を打ちます。

code

Bそれをコピーして  減らす()と名前を変えて、0.1を-0.1に変えた3行も作ります。

    Sub 増やす()
     Range("E4") = Range("E4") + 0.1
     End Sub

    Sub 減らす()
     Range("E4") = Range("E4") - 0.1
     End Sub
 
C✖で閉じるなどして、通常のワークシートに戻ります。

シートにボタンを作る

@開発タブ 挿入フォームのボタンを挿入→シート上でドラッグして形のボタンを作る。

Aすぐにマクロの登録の窓が出現するので、Sub 増やす() を選ぶ。

B同様に もう1個のボタンを作り、そのボタンには Sub 減らす() を登録する。


starサンプルのダウンロードです。

                Kepler3rdsample.xlms

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