No.30 ジャンピングミニ決定版 Jumping-board 2004.7.24.掲載

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試験管のおしりの部分をバーナーライターで加熱し、エンジンをはじくとジャンプしながら、床の上を前進します。2001年に生まれてから、色々な改良が加えられ、作りやすくなり性能も安定化して来ました。

 

 

エンジンの内部

ディスプレーサ衝突式(小林2001)のスターリングエンジンです。ダイヤフラムが出っ張ることで、エンジン全体がジャンプします。空中で中身のスチールウールは上に移動し、その時に空気が冷却され、収縮するのでダイヤフラムはいったん凹みます。着地すると、スチールウールは下に落っこち、その時空気は加熱されて膨張、ダイヤフラムはまた出っ張りエンジンはジャンプします。

 

作り方

1.試験管の加工

口径18mmガラス試験管のおしりから60mmをカットして使います。

切る方法としてはルーターに取り付けたダイヤモンドカッターで行う方法が一番確実です。
板ガラス用のガラス切りで何周も切れ目を入れてから机の角で折るということも可能です。

切ったら紙ヤスリで切り口を整えておきます。

2.スチールウールの加工

@ボンスターのはがれる部分を見つけて、そこからシート状にほどきます

Aはば3分の一ていどを裂いて取ります。それを2倍くらいにはばを広げて平均に薄いシート状にします

B端っこから巻き始め、棒状にします。最後は板などで押さえて机を上をころがし形を整えます。

C試験管の長さに合わせて、はさみでカットします。

3.エンジンの組み立て

ディスプレーサ(スチールウール)のためのストッパーを作ります。

水道用のビニルホースかガス用のゴムホースなど、太いものを7mmくらいカットして、右図のように細くまるめて試験管に挿入できるようにします。

スチールウールは試験管内で上下に15mmくらい動ける長さにします。

はばが細いと性能が悪くなります。しかし、45°くらい傾けただけでスッと滑り落ちるくらい、摩擦力が小さくないと作動しづらくなります。

ダイヤフラムにはゴム風船、指サックなども使えますが、図のように100円ショップにある薄手のゴム手袋の指部分を使うのが一番簡単で、調子も良いです。生ゴムのものとニトリルゴムのものがあったら、伸縮の少ないニトリルの方を選んで下さい。

右端の図のように1.5〜2cmくらい出っ張るように長さを調節します。ペシャンコの状態になるよう空気を抜いてから、ワゴムで止めます。

後で空気量を調整する際には、加熱したときゴムがパンパンにならず、右端の図のように適度に出っ張るように調整します。

4.振動アーム

エンジンが横揺れせず、往復運動をさせるため、根元は3〜4cmと幅広に作ります。

  0.5mm厚アルミ板を加工

5.底板への取り付け

底板の上に薄いプラ板を貼り、その上に取り付けます。

4.のセロテープ位置で振動アームが底板に押し付けられる力を変えることができます。

6.始動の仕方

試験管のおしり部分をバーナーライターなどで加熱します。

ペシャンコだったゴムが膨らんでアームが持ち上がってきます。
右図のようにエンジンを指で上にはじくとジャンプを始めます。

注意 大きなトーチバーナー等を使う場合は他の部分を加熱しないように注意しよう。また、熱した所は高温なので火傷に注意。

強力なバーナーで1点を集中して熱すると、そこのガラスが軟らかくなって穴が開きます。おしりの部分(2cmくらい)をおおうようにアルミホイルを密着させて巻いておくと、それを防ぐ事が出来ます。(蓄熱器にもなります。)

7.トラブルシューティング

* ゴムがパンパンに膨らみ過ぎると空気の圧力変化がゴムの伸びちぢみに反映しません。空気を少し抜いて調節しましょう。

* エンジンはジャンプするが、底板と床が滑って前進できない場合は、右図のように底板にビニルテープを貼ってみよう。

* 底板がバチバチ持ち上がってジャンプが長持ちしない時は板バネの力を弱めるか、底板の後の方に重りを取り付けてみよう。

 

おまけ情報

☆「大人の科学マガジンvol.05(2004年7月21日、学習研究社)にこの工作の製作記事が掲載されています。

 

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